1.所属する学科はどんな学科ですか。

商品や原料などの「物」の流れというのは、人々の生活や社会の様々な活動と切り離すことができないものです。流通情報工学科はそんな「物の流れ」(=物流)に関する知識や技術を学ぶための学科です。


2.どんな授業を担当していますか。

物の流れの在り方は、都市の形成や交通の整備と密接にかかわっています。担当する「流通基盤計画学」では、都市や交通における物流に関連した課題、計画、統計分析手法について知識を習得することを目標としています。


3.どんな研究をしているのですか。その研究のおもしろさは、どんなところですか。

交通システムの進化と都市との相互関係に焦点を当て、特に、都市物流と土地利用、及び、 都市物流に関するモデル開発・政策分析に取り組んでいます。自動運転車やドローン等の新たな交通モードの普及に加え、 世界的なCOVID-19の流行に直面し、諸活動のオンライン化やEコマースの成長が進む中、この分野における研究は益々重要になると考えています。


4.何がきっかけで、その研究をしようと思ったのですか。好きになった、夢中になったエピソード、現在の研究につながるエピソード等を教えてください。

物流に焦点を当てた研究に取り組むようになる前は、主に東南アジアにおける交通計画の業務に従事していました。途上国において、国際的な物の供給システム(=グローバルサプライチェーン)に参加することによって、急速に産業構造、及び、都市の在り方が変容するのを目の当たりし、物流と物流を支える都市計画や交通システム、また、物流の増加に伴う諸問題に対して取り組む必要があると考えるようになったことは、現在の研究につながる一因であると思います。


5.その研究はSDGs何番の目標と関わりがありますか。その研究は、社会でどのように役立ちますか。また、どのような職業や仕事に結びつくと思いますか。

「11住み続けられるまちづくりを」に特に関連すると思います。都市・交通計画の分野で役立つ知見を生み出しています。もちろん、その分野での職業や仕事と結びつくと思います。但し、学生さんが研究を通じて得られる分析、問題認識、問題解決に関する能力は、私の研究分野に限らず、広く社会に役に立つものになると思います。


6.研究者として、今後の目標は何ですか。研究を通じて、これから世の中にどのような「夢」を与えたいですか。現実的でなくても構いません。先生の夢を教えてください。

私には、研究を通じて「夢」を与えたいという意識はありません。研究を通じて、少しでも多く人間社会において広く役立つ知見を生み出したいと思っています。


7.2030年に向けて、これから入学してくる学生さんとどんな研究をしたいですか。

私の研究では、物流を都市計画・交通計画の視点からとらえますが、それには、単なる数値的な分析能力だけではなく、物流と人の生活、物流と経済活動、物流と都市の関係について理解を深めることが必要になります。学生さんとは、今後の社会や技術の変化が、物流を通じて人間社会にどういった変容をもたらすか、分析や議論ができればと思っています。